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令和7年1月1日
経済産業省 関東東北産業保安監督部東北支部長渡邉 守章
令和7年の年頭に当たり、一言、御挨拶申し上げます。
旧年中は、産業保安行政に対し格別の御理解と御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
昨年は、令和6年能登半島地震をはじめとする自然災害が頻発し、その影響を受けた多くの方々にお見舞い申し上げます。私たちの果たすべき役割として、災害・事故発生時の迅速な初動対応や関係機関との連携強化が重要であるため、日頃から自治体等の関係機関との連携や、災害時の情報収集、支援ニーズの把握に努めてまいります。
また、経済産業省としては、昨年、組織経営改革を進め、MVV(ミッション・ビジョン・バリューズ)の策定やマネジメント改革、業務のDX化の推進などを通じて、職員一人ひとりが自らの役割を果たし、自由に個の力を発揮できる環境を整えることに注力しました。この改革の成果として、業務の効率化や職員の働き方の改善が見られ、より一層保安業務に注力できる体制の構築を図ることができ、今後もこの流れを継続していく所存です。
さらに、我が国の産業保安を巡っては、水素・CCSなどに対応した新たな技術が脱炭素社会の実現や我が国のエネルギー政策上、重要な要素となっています。これに伴い、公共の安全を維持し、災害の発生を防止するため、保安規制の政策立案や執行を進めてまいります。具体的には、安全な利用環境を社会に提供できるよう、技術開発等を通じた科学的データ・根拠に基づく取組や、新技術の段階的な実装に向けたルールの合理化・適正化、リスクコミュニケーションや人材育成などを含む利用環境の整備を行動方針として、各分野の政策立案・執行を進めてまいります。
さて、昨年の管内における産業保安の状況を顧みますと、幸いにも死亡事故は無く、事故の件数も減少したものの、負傷者が生じた事故は複数発生しております。これらの状況を踏まえ、本年、当支部はそれぞれの保安分野ごとに以下の取組を実施してまいります。
都市ガス保安分野においては、豪雨被害に伴う供給支障事故が発生していることから、引き続き、管内ガス事業者に対し、製造・供給設備の安全管理の徹底を指導するとともに、他工事に起因する事故の防止、消費者の安全確保のための啓発、更には経年管対策の推進に取り組んでまいります。
LPガス保安分野においては、漏えいしたガスに引火して負傷者を生じる事故が発生していることから、引き続き、ガス漏えい事故や他工事に起因する事故、一酸化炭素中毒事故の防止に向けて、より一層、各事業者に対する指導及び啓発活動に注力してまいります。
高圧ガス保安分野においては、爆発、火災事故が発生していることから、自治体と連携して事故防止に取り組むとともに、引き続きスマート保安導入の醸成を図るため自治体、事業者への情報提供に取り組んでまいります。
石油コンビナート保安分野においては、石油コンビナート地区の防災に関し、災害対応における自治体、消防、各地区協議会との連携を強化し、引き続き、未然防止に取り組んでまいります。
火薬保安分野においては、近年の事故は主に花火大会など煙火類の消費時に発生しておりますが、産業火薬類に関連する事故も一定数発生しております。引き続き、自治体等と連携して事故防止に努めてまいります。
電気保安分野においては、感電等の人身事故が3件(負傷者5名)発生しています。感電事故は死亡や重篤な後遺障害等を伴うケースもあり、事故を発生させない対策が必要です。また、物損等に関わる電気事故の発生もあり、当支部は、事故の再発防止対策を徹底させるため各種講習会やホームページの掲載等を通じ事故の概要等を広く周知するなど、電気事故を防ぐための取り組みを継続して実施してまいります。さらに、昨今の課題として社会のDXが進む中、スマート保安の導入促進やサイバーセキュリティ対策などについて、引き続き事業者を指導してまいります。
また、脱炭素化社会の実現を目指すGXの取り組みは、社会構造に大きな変革をもたらしています。再生可能エネルギーの導入が着実に進んでいる一方で、その保安の確保が喫緊の課題であり、当支部では、立入検査等を継続して実施し、指導・監督に取り組んでまいります。
鉱山保安分野においては、運搬装置(コンベア)関連の災害が3件発生しましたが、本年は、「第14次鉱業労働災害防止計画」の3年目であり、折り返し地点を迎えることから、引き続き、無災害の達成を目指し、立入検査や保安指導等を通じて、更に効率的かつ効果的な監督・指導に努めてまいります。
また、鉱害においては、豪雨等の自然災害による水質事故の発生はなかったものの、排水基準不適合が2件発生しております。引き続き水質事故の発生を未然に防止するために集積場や坑廃水処理施設の適切な維持管理の徹底とともに、激甚化する自然災害に対する準備等についても監督・指導を強化してまいります。
さらに、「特定施設に係る鉱害防止事業の実施に関する基本方針(第6次基本方針)」により届出された鉱害防止事業計画に基づき、残存する鉱害防止工事の早期完了や坑廃水処理コストの削減等、鉱害防止事業の計画的な実施を引き続き推進するとともに、休廃止鉱山鉱害防止等工事費補助金を活用した鉱害防止事業などにより鉱害の防止に努めてまいります。
以上、全ての保安分野に共通して、昨年に引き続き産業保安の確保に万全を期してまいります。
本年も国民の皆様の「安全・安心」に対するニーズにしっかりと応えるよう、「強い使命感」、「科学的・合理的な判断」、「業務執行の透明性」及び「中立性・公正性」を行動規範として、職員一丸となって取り組んでまいります。引き続き産業保安行政への御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
最後になりますが、令和7年が皆様にとって良い年となりますことを祈念いたしまして、新年の挨拶といたします。本年も「御安全に!」
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最終更新日:2025年1月1日